親愛なる兄弟姉妹の皆様

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、日本国内でも感染が拡大しており、状況が深刻化しています。この感染対策のために公開ミサが中止され、霊的な渇きの中、皆様、それぞれに回心の時を過ごされていることと思います。

新型コロナウイルス感染症でいのちの危険だけではなく、生活や経済に悪い影響が出ています。その中、消費者による買いだめの動きも強まり、感染予防のために外出を控える人も増え、世界的な流行への恐怖から、混乱も広がっています。この状況でキリスト者の私たちは、何よりも主イエスの苦しみ・死と復活という「過越の神秘」を黙想し、この偉大な神秘を生きるようにと招かれています。聖パウロは、「キリストは神の形でありながら神と等しくあることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして僕(しもべ)の形をとり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまでそれも十字架の死に至るまで従順でした」(フィリピ2.6-8)と書かれています。受肉した主イエスは、私たちそれぞれの苦しみ・不安などを共に味わい担ってくださいます。復活された主キリストは、私たちに希望だけでなく、真のいのち・喜び・勝利を与えてくださいます。

この過越の神秘がキリスト者の生活の礎です。私たちは個人でも共同体でも心と思いを尽くして、絶えずこの神秘に立ち返らなければなりません。この時こそ、私たちは、「十字架につけられたキリストの広げた腕を見つめなさい。幾度も幾度も繰り返し救っていただきなさい。そして自分の過ちを告白しようとするときは、罪の憂いから解き放ってくださるキリストのあわれみを、固く信じてください。深い思いがこもった、流れるその血をじっと見つめ、その血で清めていただきなさい。そうすればあなたは、つねに新たにされるでしょう」(使徒的勧告『キリストは生きている』123)という教皇フランシスコの教えに従って実現していくべきです。

そして、新型コロナウイルスの感染が終息しないうちは、私たちも買いだめしがちでありますが、独り占めせずに分かち合っていかなければなりません。2020年四旬節教皇メッセージの中で教皇フランシスコは、「…愛のわざを通して分け与えることは、人をより人間らしくします。一方、ため込むという行為は、人を利己心の中に閉じ込め、人間らしさを奪う恐れがあります」と書いておられます。

4月中、私たちは偉大な神秘を記念します。是非、至聖なるマリアと共に偉大な「過越の神秘」を新たな心の目で見つめ、神と他人との対話に心を向けて行いをもって前進しましょう。平和と喜びのうちに「過越の神秘」を過ごすことができますように。アーメン。