梅雨明けが待たれる毎日ですが、皆様はお元気にお過ごしでしょうか。
先月号に続き、「堅信の秘跡」を共に思い起こしましょう。

他の秘跡と同じく、堅信は人間のわざではなく、神のわざです。神は私たちのいのちに気を配り、私たちを御子の姿に似せて形づくり、私たちが御子と同じように愛することが出来るようにしてくださいます。そのために神は私たちに御自分の聖霊を注いでくださいます。聖霊のわざは全人格、全生活を満たします。このことは、聖伝が聖書に照らされて常に明らかにしてきた7つの賜物によって示されます。聖霊の7つの賜物とは上智、聡明、賢慮、勇気、知識、孝愛、主への畏敬です。これらの賜物は、堅信によって私たちに与えられます。

私たちが聖霊を心の中に受け入れ、聖霊に働いていただくと、キリストご自身が私たちのうちに現存し、私たちの生活の中で形をとられます。私たちを通じて、キリストご自身が祈り、ゆるし、希望と慰めを注ぎ、兄弟姉妹に仕え、貧しい人、底辺に置かれた人に近づき、交わりを作り出し、平和の種を蒔きます。聖霊を通じて、キリストご自身が来て、私たちのただ中で、私たちのために、これらすべてのことをなさるのです。ですから、洗礼を受けたとしても、大人としても、堅信の秘跡を受けていないなら、なるべく受けることが必要なのです。

堅信式に用いられる「しるし」で大切にされているものは、「塗油」と「霊印」です。では、堅信の「しるし」とは何でしょうか。これについて『カトリック教会のカテキズム』の中にこう書かれています。

「塗油」は、聖書を含めて古い時代から多くの象徴的な意味を持つものとされてきました。油は豊かさ、喜びのしるしであると同時に、清め、柔軟さ、打ち身や傷の痛みを和らげる治療のしるしでもあり、美と健康と力とを増進させるものです。 (1293)

堅信の秘跡で塗油を受けたキリスト者は、イエス・キリストの使命とイエス・キリストに充満する聖霊の働きとにいっそう深く与り、その生活全体がキリストの良い香りを放つようになります。(1294)

堅信の秘跡を受ける信者(受堅者)は、塗油によって聖霊の「証印」(霊印)を受けます。証印は本人の象徴、その権威のしるし、ある物に対する所有権のしるしです。(1295)

聖霊が私たちの上に吹き、私たちに御父と御子イエス・キリストの優しさを呼吸させるように、そして、世界に平和の温かさと希望の爽やかな憩いをもたらすように心を合わせて祈りましょう。