2016年が間もなく終わろうとしている。この1年、どんなことが起こっただろうか。2016年を過去として振り返る時、どんな出来事が思い出されるだろうか。

カトリック教会の大きなイベントとして、教皇フランシスコが定めた「いつくしみの特別聖年」があった。2015年12月8日、「無原罪の聖マリア」の祭日に開幕した聖年は、2016年11月20日、「王であるキリスト」の祭日に閉幕した。仁川教会では、毎日曜日、ミサ前に教皇が作られた「いつくしみの特別聖年の祈り」を共同で唱えた。小教区行事としては、ゴールデンウイークの子どもの日に、大阪・玉造のカテドラル聖マリア大聖堂の「聖年の扉」をくぐる巡礼があった。

11月8日、アメリカ大統領選挙が行われ、大方の予想を覆して、トランプ氏が当選した。トランプ大統領の誕生は、9.11の同時多発テロ事件に匹敵する出来事、と言う国際政治学者もいるくらいの衝撃を与えた。アメリカ国民を二分する選挙結果に多くの人々が不安を抱いている。トランプ氏が分断された国民を融和に導くよう期待する。同時に、日本とアメリカの従来の関係も見直し、より国民に寄りそった形にしてもらいたい。

2016年に亡くなった有名人には次の方々がいる。三笠宮崇仁殿下、演出家の蜷川幸雄さん、テレビタレントの大橋巨泉さん、ラジオパーソナリティーの永六輔さん、登山家の田部井淳子さん、元ラグビー選手の平尾誠二さん、プロ野球評論家の豊田泰光さん、俳優の平幹二郎さんなどなど。

それぞれ与えられたタレントを生かして、多くの人々を喜ばせ、励まし、勇気を与えてくれた。次の世に旅立った人々の優れた模範を見習いたいものだ。

仁川教会では5月の信徒総会で、代表に野村榮子さんが選ばれた。久しぶりに女性評議会議長の誕生である。小教区活動で、徐々に女性ならではの細やかな配慮が活かされている。

仁川教会にまつわる出来事にこんなこともあった。8月3日の夜から4日の未明にかけて、仁川教会事務所に賊が侵入、警察沙汰になった。事務所入口のガラスドアが割られているのに気付いたのが朝8時半過ぎ。110番に連絡すると、すぐに西宮署から5、6名の警察官が来てくれた。入念な現場検証が行われた。主任司祭の両手の10本の指は1本1本、丁寧に指紋採取された。この侵入事件で被った損害は、事務所入口の高さ180㌢×75㌢、厚さ5㍉の大型ガラスドアの破損。犯人はいまだに不明。