3月6日夕刻、仁川修道院において火災が発生し、多くの皆様に長時間の交通規制や煙・火災臭等により多大なご迷惑とご心配をおかけしました。心より深くお詫び申し上げます。修道院は全焼しましたが、非常時においても皆様方のお祈り、ご協力、お見舞い、ご支援などをいただき大きな救いとなっております。ここに心より厚くお礼を申し上げます。
今後、修道院では、改めて防火体制の見直しを行い、二度とこのような火災が発生することのないよう取り組むと共に、早期の再建に向けても検討して参ります。今後ともお祈り、ご指導、ご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。
修道院火災を肉眼で見た自分は、諦めや無気力という無の状態に置かれました。しかし、その時にも焼き尽くされることのない愛、希望、魂を想像しました。
私たちは、何度も人生や現実を悲観してしまいます。過去に固執し、未来に幻滅し、無気力の牢獄にこもりがちです。私たちは、イエスの体に香油を塗るために、夜明けに墓に行く福音書の女性たちのように、諦めや無気力の墓の前で立ち止まり、生きる喜びを忘れてしまう時もあるでしょう。
この火災を通じて、主は私たちに新たなまなざしを与えてくださいます。希望とともに生き、恐れや苦しみなどに囚われないまなざしです。ですから、私なりに、まなざしを上げ、目のあたりにした焼失や悲しみや苦しみの覆いを取り去り、神がもたらしてくださる希望をもって進もうと思っています。
今こそ、福音書の女性たちのように「なぜ、生きておられる方を死者の中に探すのか」と問われています。過去に留まらず、すべてをゆるしてくださる神に自らのゆるしを求める勇気、変わる勇気、再生に努める勇気、イエスとイエスの愛に従う勇気をもって復活祭に向かっていきます。全焼した修道院の中に、墓の中に閉じこもらず、生きておられる主を探しに行きたいと思っています。
これからは、目に見える形での再発防止対策や修道院再建の計画とともに、福音再宣教方法をも検討したいと思います。イエスは私たちの恐れが渦巻く中、ご自分の道を行かれ、私たちの重荷を担われ、死の暗闇から、私たちのために、いのちを回復してくださったのです。私たちの嘆きを喜びへと変えてくださったのです。
どうぞ、復活への信仰を共に新たにして、今苦しみの中にいるすべての兄弟姉妹のために、戦争と残虐さの厚い暗闇の中にいる人々のために祈りましょう。そして私たちの祈り、寄り添い、希望、勇気を送りましょう。
死と復活に至るまでイエスの全生涯に寄り添い、新たに誕生した教会の足どりに寄り添い続けた聖母マリアの取次によって、私たちが忍耐と勇気と喜びのたまものを授かれるよう祈りましょう。