親愛なる兄弟姉妹の皆さんへ

今もパンデミックと戦争が猛威をふるっている中、社会的経済的な危機はいまだに深刻な状態にあり、特に貧しい人、避難生活者に大きな影響を及ぼしています。それにもかかわらず、武力紛争と軍備拡張はとどまることを知りません。この複雑な現実を前にして、「イエスは十字架につけられ、復活された」という短い言葉を考えましょう。

天使でも幽霊でもなく、生身の人間イエスが、ポンティオ・ピラトにより十字架刑に処せられ、三日目に復活されたと、聖書は伝えています。イエスは、御父の救いのみ旨を完全に成し遂げ、私たちの弱さ、病、死、すべての痛みを身に受け、私たちの罪を担ってくださいました。ですから、御父はイエスを高く上げ、主イエス・キリストは今も永遠に生きておられるのです。

イエスの手と足と脇腹にある傷は、私たちへのいつまでも消えないイエスの愛のしるしです。特に、体や心に過酷な試練を受け、パンデミックと戦争のために今も苦しんでいる人々、病者、最愛の人を亡くした人々、避難生活者と共に在るしるしです。十字架にかけられ、復活された主は、私たちの希望であり、仕事を失った人や、経済的な苦境に陥っても社会から適切な保護を受けられない人の心の支えです。

悲しいことに、パンデミックと戦争により、貧しい人の数と、絶望を感じている人の数が驚くほど激増しています。紛争や貧困のために逃れてきた移住者たちの顔には、ゴルゴタの丘を上られる主の苦しみで歪んだ傷ついた顔を見出すことができます。主イエス・キリストの光が、彼らの再生の源となりますように。連帯と人類の兄弟愛の目に見えるしるし、死に対するいのちの勝利のあかしが、彼らにありますように。

ロシアのウクライナへの侵攻だけではなく、あまりに多くの戦争や暴力行為が世界中で今も行われています。争いに傾きがちな考え方を私たちが克服できるよう、平和の主が助けてくださいますように。

多くの困難の中にあっても、私たちはキリストの傷によって癒されていること(一ペトロ2・24参照)を忘れないでいきましょう。私たちの苦しみは、復活された主キリストの光の中で変わっていきます。死のあったところに、必ずいのちがあります。死を悼む悲しみのあったところに、必ず慰めが満ちます。

さあ、信仰・希望・愛を新たにして主イエスの受難を思い起こし、復活された主キリストのいやしと平和の恵みが各家庭、地区、世界中に広まるよう祈りましょう。

ご復活おめでとうございます。