教皇フランシスコはさまざまな機会に「シノダリティ」(※7ページ参照)の重要性を説いておられ、今回のシノドスのプロセスもシノダリティを実践する旅とされました。シノドスの手引書(Vademecum)より、旅を進める中で大切な注意点を挙げてみます。実りある旅のために、惑わされずに進みましょう。

1.神に導かれていることを忘れて、自分で自身を導こうとしない。
私たちは、神によって示された道を歩む巡礼者であり、奉仕者です。私たちの協調のための謙虚な努力は神のためのものです。

2.自己と目先の関心にだけ集中しない。
シノドスのプロセスは、心を開き、視野を広げ、視点を増やして宣教に出向いて行く息の長い活動です。全教会を見渡し、教会における神の御計画、神の夢に心を向けましょう。

3.「問題」に捕らわれない。
立ちふさがる「問題」に圧倒され、落胆するときでも、光を見出しましょう。聖霊が生み出すいのちに感謝し、神の御旨を生きる方法を考えましょう。

4.組織に固執しない。
組織の刷新はすべてのメンバーの回心と刷新にのみ実現するものです。刷新を求められるとき、聖霊に励まされながら、全ての人と共に旅をして、進むべき道を識別しましょう。

5.目に見える教会だけを見ない。
パン種の役割を果たしている私たちの使命は、多くの人と対話し、課題の大局を見ることです。他の宗教との理解も深めましょう。

6.シノドスのプロセスが持つ目的を見失わない。
長期に渡るシノドスの過程で、神がどう私たちを招いておられるのかを識別するという目的を見失わないようにしましょう。

7.対立と分裂を避ける。
「すべての人を一つにしてください」(ヨハネ17・21)。聖霊は私たちを神との交わり、互いの交わりをより深いところへと導いてくださいます。

8.シノドスを論争の場としない。
他者を敵視したり、教会一致を妨げたりすることは、シノダリティの精神に反するものです。

9.教会活動中の人の意見だけに耳を傾けようとしない。
陥ると、最終的には神の民の多くを無視することになります。

「灰の水曜日」(今年は3月2日)より四旬節に入ります。荒れ野でサタンの誘惑に打ち勝ったイエスに倣い、私たちも聖霊によって荒れ野に入り、沈黙の中で神のみことばを聞き、真の回心を果たして活力を高め、シノドスのプロセスを実りある旅としましょう。祈りのうちに!