親愛なる兄弟姉妹の皆さん、主のご降誕と新年のお慶びを申し上げます。

表題に続いて、「主がすぐ近くにおられます」(フィリピ4・4-5参照)ということばの響きのうちに私たちは救い主を待ちながら待降節を過ごしています。待降節は喜びへと招かれる時です。主イエスの降誕を待ち望むことは、喜ばしい体験です。主は私たちのすぐ近くに来てくださるほどに、私たちを愛してくださり、私たちをあがなってくださったのです。これらのことを思い巡らすことによって喜びが膨らみます。

さて、今年も新型コロナの感染拡大のため、「不安」な状況の中、主の降誕祭を迎えますが、改めて主の降誕祭のイメージを思い起こしながら過ごしていきたいと思います。

我が修道会のチェチリアーノ赤尾満治神父作詞作曲の「ようこそ!イエスさま」という曲の歌詞は以下の通りです。
♪ ♪ ♪
・私たちの仲間になりたいから、イエス様は天からこられたんだね。私たちの弱さを感じたくて赤ん坊の姿でこられたんだね。
 ようこそイエス様どうもありがとう、あなたがこられた喜びを歌いましょう。

・あなたたちの仲間になりたいと、イエス様はこの世に生まれたんだね。私たちに弱さを示したくて貧しい馬屋に生まれたんね。
ようこそイエス様どうもありがとう、あなたがこられた喜びを歌いましょう。 ♪ ♪ ♪

イエスは私たちの弱さを感じ、私たちの仲間になるために天から降り、この世の貧しい馬小屋に生まれました。神は私たち人間の「不安・恐れ」を取り除くのではなく、私たちとその「不安・恐れ」を共にする道を選ばれました。「不安」と直面しながら生きる私たちと共におられるために、この世界に神の子は生まれました。教皇フランシスコは、「イエスの降誕は、不安と悲観主義を乗り越える信頼と希望の祝い」と言われています。

主の降誕を祝う私たちキリスト者一人ひとりは、このような厳しい状況だからこそ、「恐れるな」という天使の言葉と、闇に光を与えてくれる救い主の誕生に力づけられ、共に喜びながら感謝と希望をもって歩み続けましょう。闇の中にいても、心の中には喜びがあります。主が私と共に、私たちと共におられ、人類のために誕生されたのですから。

聖母マリアと聖ヨセフの取次によって、幼子イエスからのお恵みと平和と喜びが皆さんと皆さんの心にいる人々の上に豊かに注がれますようにお祈りします。また、コロナ禍が一日も早く終息し、皆さんと共に平安と喜びのうちに日常生活、信仰生活が送れますようにお祈りします。賛美と感謝と信頼のうちに!