降誕祭と年末年始を迎えるにあたり、兄弟姉妹の皆様に心からご挨拶申し上げます。

いつも絶えず、公私ともにお祈り、ご協力とお心遣いをいただき、感謝いたします。個人、共同体、世界中で兄弟愛、平和、正義の道を進めるよう願いつつ、皆様と皆様の心におられる方々の上に神様からの豊かなお恵みが注がれるようにお祈りいたします。

2020年以降、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの中でも、愛と連帯の数多くのあかしが為されました。一方で、様々な形の人種差別、貧富の格差、さらに死と破壊をもたらす戦争と紛争が新たに勢いを増していることを、気候変動と環境悪化、分かち合いより個人主義が続いていることを、残念ながら認めざるを得ません。苦しみと不安に置かれている今こそ、喜びも苦しみも分かち合い、愛を表す時でしょう。

2022年「世界平和の日」にあたり、教皇フランシスコは「恒久的平和を築くための三つの道」を示してくださいました。それは、①世代間対話、②教育と養成、③就労です。世代間対話は共通の計画を実現するための基盤です。教育と養成は自由と責任と発展のための条件です。就労は人間の尊厳を完全に実現するものです。これらは共通善・恒久的平和を可能にするための必須の三要素です。

降誕祭を祝い、パンデミックから抜け出るために力を合わせようとする今こそ、私たちはつねに、海の星、希望の母であるおとめマリアを見つめなければなりません。私たちはできる限り善意と勇気と創造性をもって「恒久的平和を築くための三つの道」を共に進み続けましょう。愛と平和、兄弟愛と連帯、助け合いと相互受容の新たな地平に向けて進むために、他の人々、とりわけ最も弱い立場にある人に対して無関心でいようとする誘惑に負けないように、皆で協力していきましょう。私たち一人ひとりも馬小屋にいる幼子イエスと聖母マリア、聖ヨセフに見倣って、騒いだりせず、謙虚さと忍耐を忘れずに、その日その瞬間に平和の道具となれますように。平和の神様がいつも私たちを祝福し、導き、寄り添ってくださいますように、心を合わせて祈り前進しましょう。また、師父「聖フランシスコの平和の祈り」の「憎しみのあるところに愛を、いさかいのあるところにゆるしを、分裂のあるところに一致を、……、慰めるよりも慰めることを、理解されるよりも理解することを、愛されるよりも愛することを」という自ら働く心構えで生きていきましょう。
賛美と感謝と信頼のうちに!