新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発生から3年経ちました。コロナ禍は、日常生活を揺るがし、狂わせ、混乱と苦しみと別離を生み出しました。さらにパンデミックは、社会や経済をはじめ、構造の弱い部分に打撃を与え、矛盾や不平等を生みました。多くの人の雇用の安定を脅かし、社会の中での孤立をいっそう増しています。 この3年を、共に振り返り、前進していくべきでしょう。因習を捨て去り、よりふさわしい心を整え、新しいことに挑戦するために、よりよく暮らすために、何をするべきでしょうか。

確かに、COVID-19により、私たちは皆互いを必要とし、一人ひとりが、神の子どもとし て兄弟姉妹を愛し、助け合うべきだということに気づきました。 コロナ禍が終息しないまま、ウクライナでの戦争は、多くのいのちを奪い、直接の被害者ばかりか、広く無差別に世界中で恐怖を増加させています。コロナのワクチンは開発されましたが、戦争終結のための有効な解決策はまだ見つかっていません。では、あまりの悲劇の中に生きている私たちはキリスト者として、何をしなければならないでしょうか。

今年の「世界平和の日」のメッセージに、 教皇フランシスコは次のように書いておられ ます。< まずは、あの非常事態の経験によって回心すること、つまり歴史の中で今こそ、 わたしたちがこれまで用いてきた世界や現実の解釈基準を、神に変えていただくのです。 わたしたちはもはや、個人や国家の利益になるものを守ることだけを考えていてはだめなのです。利益を守ることを、共通善に照らし、共同体意識をもって、・・・「わたしたち」として、考えていかなければならないのです。・・・ 今こそが、わたしたち全員で、この社会と地球の治癒に取り組む時であり、より公正で平和な世界、真に共通する善の追求に真剣に取り組む世界に向け、基盤を築くときなのです。・・・ わたしたちがなすべきことは、すべての人への公的治療保障制度に再度取り組むこと、犠牲者と貧困を生み続ける紛争と戦争に終止符を打つための平和行動に着手すること、共通の家を一致団結してケアし、気候変動に取り組むための明確で効果的な対策を実行すること、格差というウイルスと戦い、すべての人に食糧と人間の尊厳にかなう職を確保し、最低賃金さえ得られず困窮にあえぐ人たちを支援することです。とくに移住者や、社会から排除されて暮らす人に対し、適切な政策をもって、受容と共生を推し進めていかなければなりません・・・ > 神を信頼し、希望に心を開き、聖母マリアと諸聖人の取次によって、祈りをもって前進しましょう。