親愛なる兄弟姉妹の皆さん、クリスマスと新年のお慶びを申し上げます。生まれた幼子イエスからの恵みと平和と喜びが皆さんと皆さんの心にいる人々の上に豊かに注がれますように祈ります。

おとめマリアから生まれた幼子イエスは、肉となられた神のみことばで、夜の闇と寒さの中に燃え立った小さなともし火です。旧約時代からアブラハムの心と歩みを約束の地に導いたみことばは、神の約束に信頼する人々を引き寄せ続けています。ヘブライの民を奴隷の状態から解放への旅路に導いたみことばは、今日も含めたあらゆる時代の隷属状態にあるすべての人に、困惑の状態から抜け出すよう呼びかけ続けています。みことばは太陽より明るく輝き、人間の小さな子どもとして人となられた方、世の光であるイエスです。

マリアとヨゼフは、皇帝の勅令のため、親しい人々、自分の家、故郷を離れ、住民登録のために出発しなければなりませんでした。二人にとって、快適で楽な旅ではなく、不安と危険な旅だったでしょう。また、神の子は貧しく寒い馬小屋で生まれなければなりませんでした。部屋も居場所も与えない町の暗がりのただ中で、人に背を向けて自分のことだけを考えているように思える町のざわめく闇のただ中で、まさにその中で神の愛の光は輝きました。

現代社会に生きている私たちもそれぞれの闇があります。それらの闇は人間の心に、人間関係や家族、社会との関係、経済的、政治的な争い、環境をめぐる争いの中に、特に新型コロナウイルス禍にあります。

まさにこの困難な現実の中で、マリアはインマヌエル(私たちと共におられる神)を、私たちにもたらしました。ですから、この降誕祭及び年末年始に当たり、心を合わせて祈りましょう。インマヌエルが、闇に覆われている全人類の光となりますように。恐れに陥る私たちの心を和らげ、私たちを主の愛の道具としてくださいますように。ベツレヘムの幼子からの贈り物に喜び、心を動かされている私たちが、あなたの泣き声によって無関心から目覚め、苦しむ人々に向けて目を開くことが出来ますように。あなたの革新的な優しさによって、人々の希望とこの世の闇を明るく照らしてくださいますように。

また、平和の神が新年を迎える私たちを祝福し、私たちを助けに来てくださいますように。聖マリアが、私たちに寄り添い、支えてくださいますように。

兄弟姉妹の皆さん、新型コロナウイルスの影響が拡大し続けています。このたびの災禍が早く終息し皆さんと共に喜びと平和のうちに日常生活・信仰生活が送れるように祈ります。賛美と感謝と信頼のうちに!