8月の平和旬間行事を通して、私たちはウクライナやガザでの戦争の悲惨な映像を一緒に視聴し、苦しみを知りました。また、平和祈願ミサの後には、「真の平和」を目指して、聖霊の導きによる「霊における対 話」を通して「ともに歩む教会」の姿を作り出し、互いの祈りと傾聴の大切さを知ることもできたと思います。これからも平和の巡礼者として平和を築いていきましょう。
日本のカトリック教会は、毎年9月1日の「被造物を大切にする世界祈願日」から10月4日のアッシジの聖フランシスコの祝日までを「すべてのいのちを守るための月間」として定め、行動しています。
2023年10 月2日に、教皇フランシスコの使徒的勧告『ラウダーテ・デウム(神をほめ たたえよ)』が発表されました。これは、2015年に発表された回勅『ラウダート・シ』を補い、完成させるものです。これを通して、教皇は、私たちの行動は未だ不十分で状況は危機的であること、また気候変動の否定論者に対し、地球温暖化の原因は人的なものであること、一方で私たちが共に住む地球 へのいたわりはキリスト教信仰から湧き出るものであることを示しています。
教皇は、「わたしたち皆が、唯一の父によって存在するようにと造られ、宇宙に属するものとして見えないきずなによって結ばれて、宇宙家族ともいえる、聖にして愛情深く謙虚な敬意で満たす崇高な交わりを形成している」( 6 8 )、「汚染や廃棄物の削減、そして賢慮ある消費という各家庭の努力が、新たな文化を創出しています。個人や家族や共同体の習慣が改められつつあるという端的な事実は、政治分野の不履行の責任に対する懸念と、力ある人々の無関心に対する憤りを高めます。とすれば、数値化という視点からは目立った効果が即座に生み出されなくとも、社会の奥底から頭をもたげてくる内的変化の大きなプロセスを もたらすことに、わたしたちは貢献しているのだと自覚しましょう」(71) と記し、励ましています。
9月中には「被造物を大切にする世界祈願日」、「世界難民移住移動者の日」、「祖父母と高齢者のための世界祈願日」、「世界難民移住移動者の日」もあります。「私たち一人ひとりが、地球の叫びに、また、環境災害や気候変動の犠牲者の叫びに心の耳を傾け、私たちの住む世界を大切にする生き方へと導かれるように」という教皇の意向、「すべての高齢者が生きる喜びを味わいながら、これまでの経験を分かち合うことができるように」という日本の教会の意向を合わせて祈りながら行動しましょう。