2月の教会暦では多くの殉教者が祝われ、また四旬節に入ります。日本の教会の歩みは、数多くの殉教者の尊い証しによって支えられてきました。長崎の二十六聖人をはじめ、多くの殉教者たちは、厳しい迫害の中にあっても、キリストへの信仰を捨てることなく、命をもってその愛を証しました。
彼らは決して特別に強い人々であったのではありません。恐れや不安を抱えながらも、「神は必ず共にいてくださる」という深い信頼を胸に、希望をもって最後まで歩み抜いたのです。
また、隠れキリシタンをはじめ、日本各地で信仰を守り続けた多くの無名の証人たちの存在も忘れてはなりません。彼らは公然と信仰を表すことができない中でも、祈りと信頼によって信仰の火を消すことなく、次の世代へと受け渡しました。
現代を生きる私たちは迫害されることは少ないと思われますが、困難、病気や迷いの中で信仰・希望・愛を試されることはたくさんあります。そのような時は、「自分は今、誰に信頼し、どこに希望を置いているのか」と、問われているのです。
私たちの日常生活の中には、信仰を証しする場面はたくさんあります。特に、2月18日(灰の水曜日)からの四旬節を迎えて過ごす私たちは、より殉教者の生き方に倣って生きるべきでしょう。
殉教者の生き方に従って、私たちも苦しみだけではなく、喜んで真理と愛のために自分をささげる生き方を選び続けましょう。四旬節の三つの柱(断食、施し、祈り)を生きるための具体的な方法は、
① 断食―「自己中心、欲望」より「神の真理と愛」を優先して生きましょう。傷つける言葉や悲しみや怒り、悲観や不平不満を断食して信頼と希望をもって生きましょう。
② 施し―「お金、物」だけではなく、「愛」をもって時を共にし、親切、善を行いましょう。家族、共同体の間で思いやりを大切にし、困っている人に声をかけ、失敗した時には素直に「ごめんなさい」と言いましょう。
③ 祈り―殉教者の心に入りましょう。それは、賛美と感謝をささげ、ゆるしを願い求めること。忙しさや不安の中で心が揺れる時こそ、短い祈りをささげ、神に助けを求めましょう。そして食事の前後の祈りや、家族で交わす一言の感謝の祈りをささげましょう。
これからも深い信頼と希望、愛をもち、次世代へと信仰を宣べ伝えようとする気持ちをもって、置かれている場で小さな行いでも信仰の喜びを証し、四旬節を過ごしましょう。
