2024年12月24日、バチカンのサンピエトロ大聖堂の「聖年の扉」の開扉によって通常聖年が始まりました。
これは2026年1月6日(主の公現)の閉扉まで続きます。私たちはこの特別な年をどう生きたら良いでしょうか。
聖年は単なる儀式的なイベントではなく、私たち一人ひとりが神からいただいた恩恵を思い起こし、感謝を捧げ、愛を行い、社会正義の実現、回心を目指して信仰生活を新たにする機会です。特に、2025年の聖年において、教皇フランシスコは「希望の巡礼者」というテーマを掲げ、困難にあっても、希望をもって生きるよう呼びかけています。キリスト者は、苦しみを拒むのではなく、積極的に反応することを選択し、悪を克服するために善の種を蒔くべきです。聖年を生きることとは、単にミサに与かり、主の祈りと使徒信条を唱え、免償を受けるだけではなく、この特別な年を通して共に過去を振り返り、未来に向けて刷新する機会とすることです。
3月5日(灰の水曜日)から、全教会と共に四旬節を迎えます。回心の恵みを願い求め、神と人間との和解を実現しながら過ごしていきましょう。
私たちは回心と和解の心をもって、罪の奴隷状態にある人間を解放してくださったイエス・キリストを改めて思い起こし、イエスの生き方に倣うべきです。自分の命と生き方を神に向け直し、「ゆるしの秘跡」、「ミサ」や「巡礼」を大切にしていきましょう。回心はまた共同体に広がるもので、和解・協働・連帯の意識につながっていきます。自分が解放されると共に、自分も他人を解放し、神の救いの業を祝い、感謝することになります。
信仰生活において、逆境にあっても希望を持ち、あきらめず、前向きに善く生きましょう。それによって失望の人々の希望の証人になるのです。「わたしは見えない人の目となり、歩けない人の足となった」(ヨブ記29・15)。また、謙虚な心で自分の弱さ、罪深さを認め、慈善のわざをもってすべてのも のをいかなるときもいとおしみ、すべてを受け入れ、大切にして、特に苦しみや困難な状況にある兄弟姉妹の立場になって理解し、認め合い、助け合っていきましょう。
来る3月23日(日)、フランシスコ修道会のトマス元田雅哉神父様を迎えて四旬節の黙想会を執り行います。是非、聖年における四旬節の大切な時を共に過ごし、神の赦しを受け、兄弟姉妹たちと和解し合って信仰生活を新たにして、「神の愛」を証ししていきましょう。