クリスマスを準備する期間としての「待降節」。今年は12月1日に始まります。また、12月24日にはバチカンのサンピエトロ大聖堂の「聖年の扉」の開扉(かいひ)とともに通常聖年が始まり、2026年1月6日(主の公現)の閉扉(へいひ)まで続きます。
教皇フランシスコは聖年への準備に向けて、2024年を「祈りの年」とするよう求めました。今年も残りわずかとなりましたが、心を新たにして、主の前に立ち、主の声を聴き、主を崇め、祈りを捧げ続けましょう。
聖年は、罪人(つみびと)である人間に対する「神からの恩赦の年」、「回心、神と人間の和解の年」とされ、人間同士の「連帯、希望、正義、兄弟姉妹と共に喜びと平和のうちに神に奉仕する年」でもあります。
聖年の起源は、旧約聖書の「モーセの律法」にまで遡(さかのぼ)ります。最初の聖年は、1300年に教皇ボニファティウス8世によって始められました。それは中世のキリスト教再建に努力したアシジの聖フランシスコの帰天から74年後、憎悪と闘争が蔓延する社会の中、キリスト教界で「霊性、赦し、友愛による刷新の波」が起き、招集されたものでした。
教皇フランシスコは、2025年の通常聖年を布告し、『希望は欺かない』の大勅書で、「希望」を2025年の聖年のキーワードとして、「この聖年が、教会と社会に、人間同士のかかわり、国際関係に、すべての人の尊厳の促進に、被造界の保護に、なくてはならない信頼を取り戻せるよう、わたしたちを助けてくれますように。信じる者のあかしが、この世におけるまことの希望のパン種となり、新しい天と新しい地―主の約束の実現へと向かう、諸国民が正義と調和のうちに住まう場所―を告げるものとなりますように」と述べられました。
また、2022年2月11日付「サルバトーレ・ フィジケラ大司教に宛てた、2025年聖年のための書簡」に「わたしたちは、与えられた希望の炎を燃やし続け、すべての人に、開かれた精神、信頼する心、広い視野をもって未来を見つける力と確信を回復させるために、全力を尽くさなければなりません。来るべき聖 年は、わたしたち全員が緊急性を感じている新たな再生のしるしとして、希望と信頼に満ちたムードを再構築するために、大いに助けとなるでしょう」と書いています。
12月8日(日)9時ミサから英(はなふさ) 隆一朗神父様を迎えて待降節の黙想会を行います。仁川小教区の私たちも、主イエス・キリストの再臨を喜びと信頼のうちに待ちながら、熱心な信仰、生きる希望、実践的な愛をもって日々の生活を送りましょう。私たちの生き方が、周りの人々に「主を待ち望め、雄々しくあれ、心を強くせよ。主を待ち望め」(詩編27・14)と語りかけるものとなりますように。