毎年9月1日の「被造物を大切にする世界祈願日※」 から10月4日のアシジの聖フランシスコの祭日までは、ともに暮らす家のための祈りと行動の集中月間です。この時期は、特に自然を愛し祈りと行いをささげましょう。「聖フランシスコの霊性にならい、神に愛され尊重されるべきすべての被造物と私たちの関係が、互いに影響を及ぼし合っていることを体験できますように」という教皇の意向に沿い、私たちも自然界を通して創造主に向けて感謝と賛美をささげ、被造物の協和する声に耳を傾けましょう。
また、同時に「すべてのいのちを守るための月間」でもあります。いただいたいのちを大切にしながら前向きに生きましょう。今月14日(日)は祖父母と高齢者のための世界祈願日であり28日(日)には仁川小教区の敬老の祝いもあるので、「高齢者のこれまでの労苦がねぎらわれ、いただいたいのちを神の恵みのうちに受け取ることができますように」という日本の教会の意向に合わせて祈りましょう。また28日は世界難民移住移動者の日です。聖年の観点をもって過ごしましょう。
現代社会に生きる私たちが抱える問題の中には、気候変動や生態系の破壊、健康被害、高齢者や難民移住移動者の孤独と彼らへの無関心などがあります。
聖年を祝っている私たちは、「希望の巡礼者」として希望をもって未来に目を向けるように促されています。聖年は「貧しい人に福音を、目の見えない人に視力の回復を、捕らわれている人に解放を、圧迫されている人に自由の回復を告げ知らせる」(ルカ 4・16-21参照)という聖書のことばを起源としています。その聖年の観点から、改めて世の中の諸問題に目を向けてみましょう。高齢者や難民移住移動者が抱える苦悩や環境の問題を耳にしても、背を向けてしまってはいないでしょうか。そのような一人ひとりの心の中にできた「無関心の壁」を取り払うことが、「自由の回復」につながるので はないかと思います。聖年の今こそ、「平和と希望の種」を蒔き、共生精神を培い、敬意と愛情を回復する変化のために努力したいと思います。
これからも祈りとミサの中で、日々、主との出会いを通して、「信仰・希望・愛」を新たにしましょう。互いに神のいつくしみを賛美し、愛する人々との一致を深め、最も遠くにいる人、特に困窮している人に心を広げていくことができますように。
注※ 「被造物を大切にする世界祈願日」はエキュメニカル的に世界では9月1日に定められています。 日本では9月の第1日曜日を祈願日としています。
