♰ PAX  ET  BONUM 和と善

『太陽の賛歌』の中で、アッシジの聖フランシスコは、太陽を「兄弟」、月や星を「姉妹」、風や水、大地、そしてすべての生き物を神から与えられた大切な家族として愛しました。彼にとって自然は、単なる資源ではなく、「神によって創造され、神の愛を映し出しているもの」です。すべての被造物を「兄弟」、「姉妹」として大切な家族のように呼んだのは、詩的な表現であるだけでなく、人間もすべての命と共に生きる兄弟姉妹であること、すべての命は等しく神から与えられた尊い賜物であり、互いに支え合いながら神を賛美する共同体であるという信仰告白からです。

聖フランシスコは、「清貧」の生活を選んで生きました。彼の貧しさとは、単に物をもたないことではなく、「必要以上に所有しない自由」であり、「神からいただいたものを感謝して分かち合う生き方」でした。

現代の私たちは、便利さや豊かさを追い求める一方で、地球温暖化や異常気象、森林破壊、海洋汚染など、多くの環境問題に直面しています。この影響は、未来の世代にも、また今この瞬間にも、世界中の貧しい人々や弱い立場にある人々の暮らしを脅かしています。聖フランシスコの清貧の精神は、このような生き方を見直し、「本当に必要なものは何か」を問いかけています。

さらに、聖フランシスコは、被造物への愛と平和を切り離して考えませんでした。自然が傷つく時、そこには必ず人間同士の争いや貧困、不正義があります。反対に、人間が互いに和解し、神と共に生きる時、被造物との調和も回復されます。平和とは、人間だけの問題ではなく、神・人間・被造物のすべてが調和して生きる状態なのです。

私たちが聖フランシスコの精神に倣うなら、自然に感謝して祈ること、食べ物を無駄にしないこと、節電や節水を心がけること、気を付けてゴミを分別すること、そして、何よりも、すべての命を神から託された賜物として尊ぶことをするべきではないでしょうか。そのような小さな実践の積み重ねが、神が「極めて良い」と祝福された世界を守ることにつながります。

これからも信仰を新たにして、すべての被造物を兄弟姉妹として愛し、神への感謝をもってこの地球を守り、次世代へと希望をもって受け渡していく者となるように努めていきましょう。

「主よ、私たちを、あなたの平和と被造物を守る道具としてお使いください」。