街中には、クリスマスのイルミネーションが華やかになりました。今年の12月2日、教会の新たな典礼暦(待降節)が始まります。神の民である私たちにとって、それは新しい信仰の旅の始まりです。大阪教区再宣教150周年に当たり、待降節を迎え過ごす私たちはどうすればいいでしょうか。

聖パウロは、テサロニケの信徒への第一手紙の中に「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい」(一テサロニケ5.16-18)と書かれています。聖パウロは、三つの態度をとることにより、待降節及び主の到来に備えるよう教えてくださいます。

聖パウロが「いつも喜んでいなさい」(一テサロニケ5.16)と語っているように、私たちはまず、つねに喜んでいなければなりません。これは、たとえ思い通りに進まなくても、心の底に平和という喜びをもち、つねに喜んでいることでしょう。私たちの人生にはそれぞれの困難や悩み、苦しみがあります。しかし、人々のために神の子として尊厳と自由を取り戻し、喜びをもたらすために神の独り子のイエスをこの世に遣わされたから、私たちは救い主を待ち望むことによって喜びを感じることができます。

また、聖パウロは、「絶えず祈りなさい」(一テサロニケ5.17)と言っています。イエス・キリストを待ち望むことによる喜びは、絶え間ない祈りが必要です。私たちは、祈りにより喜びの源である神と親密に結びつくことができます。祈りによって再び信仰とイエス・キリストとの出会いが生まれ、私たちはイエスとより親しいものとなり、日々の争いの中でも心の平静を深めます。従って、私たちは他の人々と喜びを分かち合い、人生の旅路の苦難・悩みを和らげる人になるのです。

聖パウロが指摘した第三の態度とは、感謝し続けることです。それは神に対する感謝に満ち溢れた愛です。神は私たち人間に対して限りなく寛大な心をもっておられます。そして私たちは、神のあわれみ深い愛、神の忍耐強さと優しさ、いつくしみをつねに感じながら生活し、絶えず感謝するよう招かれているのです。

喜ぶこと、祈ること、感謝することという三つの行いは、真のかたちで待降節を過ごし、降誕祭に備え、また再宣教に出向いていくためのものだと思っています。「喜び・祈り・感謝」の模範者であり、待降節の完成であるおとめマリア様の取り次ぎに私たちの一人ひとりをゆだねましょう。全教会の人々と共にイエスの降誕を心より準備し、お祝いいたしましょう。