先月号に紹介しましたように、大阪教区再宣教150周年感謝ミサを終え、「未来の宣教へ再出発」という決心を表明しました。また、日本カトリック司教団は、教皇フランシスコが今年10月を「福音宣教のための特別月間」とすると宣言したことを受け、3月17日付で「ともに喜びをもって福音を伝える教会へ『福音宣教のための特別月間』に向けての司教団の呼びかけ」を発表しました。
皆様も既にご存知のように、2013年11月26日(火)、ローマ時間の昼前に教皇フランシスコによる最初の使徒的勧告『EVANGELII GAUDIUM 福音の喜び』が出ました。この使徒的勧告において「熱意と活力に満ちた宣教の新しい段階」への歩みを望む教皇様の思いが力強く表現されました。この使徒的勧告は、2014年6月20日に日本語版で発行されたので、今月号から数回に分けて『福音の喜び』の内容を紹介しながら、ともに喜びをもって出向いていきたいと思います。
『福音の喜び』の序文に、教皇フランシスコは、「福音の喜びは、イエスに出会う人々の心と生活全体を満たします。喜びは、つねにイエス・キリストとともに生み出され、新たにされます」と述べながら「この喜びを特徴とする福音宣教の新しい旅の段階へとキリスト者を招き、今後数年の教会の歩みの道筋を示したい」と考えました。

「新しく、共有される喜び」について
圧倒的な消費の提供を伴う現代世界における重大な危機は、個人主義のむなしさです。人間は貪欲な心をもったり、快楽を求めたり、自己に閉じこもったりします。個人主義のため、他者に関心を示したり、神の声に耳を傾けたり、神からの喜びを味わうこともなくなり、善を行う熱意も失ってしまいます。
その危険の前に、今の瞬間、イエス・キリストとの人格的な出会いを新たにするよう。少なくともイエスとの出会いを妨げないよう、日々努力するべきです。小さな一歩であってもイエスに向かって歩みだすならば、イエスが両手を広げて待っているからです。イエスの優しさは私たちを決して失望させることなく、いつも喜びを取り戻させてくれます。イエスのおかげで、私たちは顔を上げ新たな出発が出来るのです。どんなことがあっても、イエスの復活から離れないようにしましょう。決して負けを認めてはなりません。
人生のどのような段階や状況でも、殊に苦しい状況においては、常に喜びに生きるわけにはいかないこともあります。しかし、喜びは、状況に応じて変化しつつも、消え失せることは決してありません。

以上は序文の一部だけでしたが、これから少しずつ紹介し続けたいと思いますので、よろしくお願いします。では、夏の疲れが出てくる頃だと思いますが、お身体にお気をつけてお過ごしください。