兄弟姉妹の皆様、主のご降誕と新年のお慶びを申し上げます。

昨年中、公私にわたりそれぞれの形でお祈り、奉仕、支えなどをしていただき、心より感謝いたします。幼子イエスからの愛・喜び・平和が皆様の上に豊かに注がれますようにお祈り申し上げます。

「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、『神は我々と共におられる』という意味である。(マタイ1・23)「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、み心にかなう人にあれ」(ルカ2・14)

兄弟姉妹の皆様に、ベツレヘムの喜ばしいメッセージを改めて繰り返したいと思います。この降誕祭と新年の普遍のメッセージは、神は善くて優しい方であり、私たちは皆兄弟姉妹であるというメッセージではないでしょうか。イエス・キリストは兄弟姉妹愛を示してくださいました。したがって、私たちはクリスマスと新年のあいさつを喜びのうちに述べるにあたり、兄弟姉妹愛を祈り求めるものでなければなりません。この善くて優しい御父とイエスにおいて、さまざまな文化・言語の人々とすべての民族の間に、異なる考えを抱いていても互いに尊重し、耳を傾けることのできる人々の間に、また、多様な宗教を信じる人々の間にも兄弟姉妹愛はあります。神は天使の姿ではなく、人間の姿で現れました。そして、幼子イエスを通して、愛と受容、人間性の尊厳を示してくださいます。私たちはその愛と人間性を多種多様な民族、国籍、文化、言語の中で共有しています。私たちは皆、人間性において兄弟姉妹です。ですから、私たちの間の相違は危険でも不利益でもなく、豊かさです。

このクリスマスと新年に、私たちが兄弟姉妹愛の絆を再び見出し、その絆が私たちを人類として一致させ、すべての人を結びますように。共に平和といのちの尊厳へと向う道を歩み、争いや紛争などがあるところに平和が訪れますように。平和の源である幼子イエスが不和な家庭・共同体に和解の恵みを与えてくださいますように。そして、飼い葉桶の中の寒さに震える幼子イエスが、地上のすべての子どもたちと、弱くて無防備で、排除されているすべての人を守ってくださいますように。救い主の誕生によってすべての人が平和と慰めを受け、いつまでも共にいてくださる神に愛されながら、兄弟姉妹であることを再認識しつつ生きることができますように。

すべてを神に委ねながら新たな心で、新たな気持ちで再出発しましょう。感謝と祈りのうちに!